2013年1月4日金曜日

HGUC YAMS-132 ローゼン・ズール。

本日のご紹介は、HGUC 149 YAMS-132 ローゼン・ズールのパチ組みです。


機動戦士ガンダムUCで活躍した、袖付きの試作モビルスーツ。
ハンマ・ハンマを今風に、というかカトキ風に解釈してデザインするとどうなるのか、
という経緯で生まれたMSです。

キットは、ギラ・ズール系のMSながら流用パーツ無しの完全新規で造形されていますが、
いろいろな理由で正直あまりオススメできない出来になっています。
ローゼン・ズールのデザインが大好きという方以外は手を出さないほうが無難です。

かくいう私はローゼン・ズールのデザインも色も大好きで楽しみにしていたのですが、
手を入れて改造するか丸ごとジャンク行きか悩んでいるくらいです。




とりあえず、まずはパッケージ。



パッケージイラストが非常に格好良いです。
また、彩色済みの写真なので当然ですが劇中カラーを再現していて製品写真も
格好良く撮れています。


中身。ランナーはポリキャップ含めて12枚と少しお高めなこともあって、枚数が多いです。
あと分かりずらいですが、リード線が4本入っています。

シールはこれでもかと言うくらいに真っ白です。
モノアイとモノアイレール以外は全てエングレービングのシールになります。


 説明書。
サイコジャマーやインコム、Iフィールドジェネレーター付きのシールドなど、
武装の説明も細かくされています。


パチパチと組んでいたら、インコム用のリレーインコムを組み立てているときに
リード線をお猫樣がお気に召した様子で、リード線が噛み千切られてしまい、
インコム射出状態を再現できなくなってしまいましたw


本来はこの4本のリード線にリレーインコムのパーツを通していくのですが、
仕方ないので諦めました。


さて、インコムは諦めて完成です。





なんだか色が全然違うんですが...。
この色の違いがオススメできない点その1です。
設定と色が合っている部分が、胸や袖のダークブルーぐらいで、劇中の色も気に入ってた
私としては、全塗装するしかないかな、と開封時点で思ってしまいました。

造形はいいだけに、非常に残念です。


各部。



頭部はズール系の鼻にバラの花弁のように周囲を覆われた独特な構造。
構造が複雑なこともあってか、モノアイの可動はありません。
それどころか、モノアイレールは頭部と一体成型なので、黒のモノアイレールのシールを
貼った上にモノアイのシールを貼るという、HGとしては珍しい仕様です。

頭部の横に立っている襟の縁の白もシール、
というか白は爪とプロペラントタンク以外全部シールです。


胸は中央部分は1枚のシールです。
シールの下もきちんと造形されているため、塗装する際に困るといったことはありません。
胸には関節が仕込まれていて、コックピット周辺から曲がり、御辞儀のポーズを取れる
ようになっています。

腰はサイドスカートが腰ではなくリアスカートに繋がっている構造です。
そのせいもあって、サイドスカートは横にはあまり動きませんが後ろ側に開くのは得意です。


肩アーマーはモナカ構造で、上側に大きく分割線ができてしまいます。
エングレービングのシールは1本ではなく分割されていて、貼りやすくなっています。
肩アーマー横のスラスターは肩とは別パーツになっていますが、色分けはされていません。



上腕。腕のロールは、肩と上腕の間にあります。
目立たない部分ですが、肩にも分割線があります。


前腕も前後のモナカ構造のため、こちらにも分割線。
袖は3つのパーツで出来ていて、こちらは分割線なしで綺麗です。
3本の爪は開いたときに基部が露出しますが、これはこういうデザインのようです。


脚部は分割線が目立たない構造になっていますが、膝頭やくるぶしの上などに
一部の分割線が出来てしまっています。
膝は、ブレード状の部分と基部の太い部分は別パーツで、ブレードは独立して動きます。

足はハイヒールになっているため、一見立たせずらそうですが結構安定して立たせられます。


背中。
リアスカートは固定。
プロペラントタンクもモナカ構造で大きく分割線があります。



背部コンテナは開閉可能で、閉じた状態のサイコジャマーを1個ずつ収納できます。
開いた状態のサイコジャマーも付属しますが、そちらは収納できません。
コンテナには分割線なし。



シールドは色分けも頑張っていますし、分割線もなく結構良いです。


シールドの腕へのマウントは四角い穴なので、固定方向は限定されます。
穴は左右の腕にあいているので、どちらの腕にもシールドを装備可能です。


展開状態のサイコジャマーが6つ付属し、スタンドが長短4つ付属します。
なぜスタンドを6つ付けなかったのかは謎。
また、このスタンドはリレーインコム用のスタンドを兼ねているため、
インコムを射出状態にするとサイコジャマーの分のスタンドはありません。

と、サイコジャマーを展開してポーズをつけようと思ったところで...


膝がぽっきり折れました。
折れた箇所は膝の2重関節の下側のポリキャップのところ。

膝を深く曲げようとするときに、力が集中するような構造になってしまっていて、
可動範囲を少しでも越えて動かそうとすると、かんたんに折れてしまいます。


これが折れる前の状態。
こちらは折れたほうとは逆の膝ですが、この時点で少し白化しています。
撮影前は組み立て以外しておらず、撮影時も特に力を入れて曲げていた訳ではないので
ここまでかんたんに折れるのはさすがにちょっと...。


ということで、この膝の構造が最大のオススメできない点です。



 そんなわけで、サイコジャマーと絡めたポーズは諦めて、単体で。
リレーインコムのスタンドを兼用しているため、スタンド上部にはリレーインコム用の
ボール受けがあります。


閉じた状態のサイコジャマーも飾れます。
サイコジャマーはどちらの状態も分割線はありません。

ということで、オススメできない点その3は、最近のキットにしては分割線が多いこと。
仕方ないことではありますし、接着してヤスリ掛けして塗装すれば関係ないことでは
あるので、オススメできない点1と2よりはそんなに問題視していません。

とにかく問題はその2の関節の構造ですね。
応力が集中する場所にも関わらず、1mmくらいのプラで出来ていますので、
これはもう設計が悪いとしか言いようがないです。
脚を動かす際には細心の注意を払って動かすようにするしかありません。


 可動とか。



首はボールジョイント+軸。
首の基部は持ち上がるようになっていて、可動範囲を稼いでいます。
少しボールジョイントの挿さりが甘く抜けやすいですが、上方向には20度くらい向けます。
左右は襟と干渉するため、首を上げなければ20度、首を上げれば45度といったところ。


肩アーマーは基部から持ち上がるようになっています。
肩は横に90度弱。上下は背部コンテナを避ければ360度回ります。


肘は90度。
肩と上腕の境に360度の横ロール。


爪の開閉は、腕に装着時はこれくらいです。
きっちり閉じないのが少しもったいないですね。


手はインコムとして射出できます。
リード線が噛み千切られてしまったので作っていませんが、
リード線で繋いだリレーインコムを腕と手の間に接続して、射出状態を再現できます。


腰は360度ロールします。
写真を撮り忘れてしまいましたが、胸が前に20度ほど屈めます。



サイドスカートは上にはほぼ上がらず、後ろに開きます。
フロントスカートはサイドスカートを開けば、大きく上に跳ね上げられますが、
サイドスカートと干渉する場合が多いです。
サイドスカートは腰ではなくリアスカートに接続されています。


股関節は左右の開脚が45度。
サイドスカートと干渉する前に限界が来ます。
前後は後ろがリアスカートと干渉するので気持ち程度。
前は90度上がりますが、膝のブレードが胴体に干渉するため真っ直ぐ脚は伸ばせません。


膝は130度くらい。
ふくらはぎのブレードが結構邪魔で動かしずらいです。
膝を動かすときに、もう少しで太股とぴったりくっつくというのと
可動の底打ち感がないので、限界を越えて動かしがちになり、白化、破損の原因に
繋っています。



足首は前後に30度くらい。
爪先はかかとから独立して20度くらい動きますが、あまり接地には貢献してなさそうです。


足首は左右にも30度くらい動きます。



背部コンテナは左右に20度くらいずつ、上下に90度強動きます。


プロペラントパイプは基部がボールジョイントで 、このくらい動きます。


と、この辺りでもう片方の膝も折れてしまいました...。
今度は気をつけて動かしてましたが、片方が折れたときに既に少し白化してましたし、
疲労もあるのかも知れません。
1回の撮影で折れる疲労ってなんだよ、とも思いますがこちらの脚は特に動かしていた
ときに折れたわけでもないので...。


そんなわけで、脚なんて飾りになりました。

正直、今のところ修理する気にもならないのですが、
もし修理するなら、下肢側のポリキャップ横には1.5mmぐらいの隙間があるので、
折れたパーツのポリキャップを前後で挟んでいる部分に横から1mmのプラ板を
ブリッジするような形で補強してあげればよさそうです。
また、ポリキャップの上側もプラの肉厚が足りないので、膝の可動範囲に影響が出てしましますが、補強したほうが良さげです。

気が向いたら、膝の破損部分を改良して、全塗装したものを後日レビューしようと思います。気が向いたら。

ちなみに成型色ですが、これくらいイメージと違います。




スーパーカスタムザクF2000とかで、似たような色の成型色を出していたので、
この色を作るのが難しいとかそういう理由ではないはずです。


そんなわけで、HGUC YAMS-132 ローゼン・ズールのパチ組みレビューでした。

とにかく設計段階から甘い、という感想しか持てないキットになってしまっているので
本当に残念です。
造形は悪くないだけに、もったいないですね。


それではまた。